事例① 兄弟間の遺産分割調停・審判
父親が亡くなり(妻は既に他界)、兄弟2人で遺産を分けることになりました。遺言書はありませんでした。父親は、資産家のため、生前から、多額の相続税がかかることを気にしていました。
そのため、予め計画的に、2人の子供に贈与を繰り返し、相続財産をなるべく少なくする努力をしていました。贈与する際は、2人の子供に平等に贈与をして、兄弟は、それなりの財産を既に取得していましたが、それでも、父親の死後、遺産の分け方で争いを生じ、双方ともに弁護士を立てて協議をしましたが、協議が遅々として進まなかったため、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てました。しかし、調停でも結局合意にいたらず、裁判所に審判をして貰い、漸く決着をみました。
※相続問題で紛争となるケースは、兄弟姉妹間が最も多いといわれています。
正にそのとおりで、双方が弁護士を立てても、話合いが進まず、裁判所のお世話にならざるを得ないケースは、兄弟姉妹間の紛争、それも遺言書がないケースが最も多いというのが実感です。本件では1回の審判で解決しましたが、裁判所の審判が出ても納得せず、不服申立を繰り返し、さらに何年も経過するというケースも中にはあります。
相続問題では、常に相続税の支払いを念頭に置かねばならないので、紛争の長期化は絶対に避けるべきです。このケースでも、調停での話し合いの最中に、最も価値の高い不動産を共同で売却して、相続税の支払いに充てました。
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